60歳からの監督日記⁉️ 『MORIBITO 』の上映で南仏に来ています!
2019年以来だから、ほぼ4年ぶりです!
皆さん、お元気だったでしょうか?
いま、南仏のスラスクという街に来ています。
アイルランド留学から帰ってきた翌年の5月から撮り始めた初のドキュメンタリー『杜人(もりびと)環境再生医 矢野智徳の挑戦』を4年がかりで完成させ、2022年4月にアップリンク吉祥寺で封切り。「ナウシカのような造園家」を追いかけた映画はおかげさまで全国46のミニシアターで公開され、現在も自主上映が全国で続いています。
海を超えて映画を見つけてくださり、自力でフランス国内の配給をすべく大変な手続きを乗り越えてくださったのが島内アゾラン咲子さん。今回「2週間オキシタニーの日本祭」で4つの映画館での上映を決めてくださったのでした。
まさか人生でこんなことがあるなんて、想像もしませんでしたが、2017年のアイルランド留学が大きな転機になったことは間違いありません。
その時にも感じた「足るを知る」暮らしぶりが、ここ南仏でも息づいていて、部屋は必要以上に明るくないし、寒いし、高速道路は街灯を消したそうで真っ暗だし。
でも、そのおかげで満点の星と月が世界を照らしてくれて、サラスクという田舎町で和紙職人を営むブノワ(大家さん)は島根の浜田市で和紙づくりを学び、コウゾをすいて本当に綺麗な和紙をコツコツとつくっています。
今日の夕方と明日夜の上映&ディスカッションを終えたら一路東京に帰りますが、62歳の誕生日をペズナという街で迎えたことは、一生の宝物です。
配給に協力してくださる環境団体のコリーヌと話すと、神宮外苑の樹木伐採をとても心配していて、「フランスで署名を集めたら? そんなに木を伐るなんて、ありえない!」と。この夏、40度近い気温で雨が降らなかったこの地域では植物が弱っていても散水を禁止されていたそうで、モンペリエという空港のある街では、5万本の植樹を宮脇メソッドで始めるそう。
「行政は市民の声を受けて動く」というアルノーの言葉を聞いて、「あきらめちゃいけない」と想いを新たにしました。
土よりも岩が多い土地だからか、街にコンクリートは少なく、部屋にはTVもウォシュレットもなく。
昨日の帰りが深夜になったからか、風邪をひいたようで今朝はおとなしく昨日買ったポロネギのスープで体をあっためました。
古いものを大切にする国。スクラップ&ビルドを繰り返す日本の街づくりは一体いつまで続くのか。でも、「絶望しそうなときは、前を向かずに足元を見る」by肥田舜太郎先生。
近くの湖で出た完璧な虹に背中を押されて、さあ、今日も行ってきます!